中学受験を勉強するために急ピッチで本を読んでいます。
昨日の「中学受験は算数で決まる!」に続いて、図書館で「中学受験と生きる力」(小宮山博仁著)日本評論社
を読んでみました。
余談ですが、図書館の検索で中受本を検索してみたんですが、貸し出し中ばかりで改めて人気を実感しました。
焦りますね。
さて、本書の解説を
「はじめに」では中受ブームの3つの理由を解説しています。
(1)学歴社会 (2)消費社会 (3)2002年の教育改革
詳しくは本書を読んでいただきたいと思いますが、要約すると、元々学歴社会であったところ、消費社会になってブランド志向が強くなり、2002年の教育改革(ゆとり教育)で公立校への不信が強まったというところだと思います。
1章の「私立中学をよく知る」では特に(3)の部分をわかりやすく解説してあり
私立・・・教育理念が徹底しやすい(先生も学校固定) 市場(競争)原理が働くので他校に負けないよう努力 施設も充実
公立・・・数年ごとに先生の転属があり教育理念を徹底しにくい 市場原理がなく、先生も公務員意識 情報公開も少なくブラックボックス化しやすい
という問題点を整理してくれています。
本書では触れていませんでしたが、公立校だとできない子に合わせる面もありますしね。
2章の「中学受験で気をつけること」では、点を取る勉強ではなく、学ぶ喜びを得て生涯学習の姿勢をみにつけてほしいという著者の願いが強く書かれています。
勉強依存症になったり、大学(や付属の中高)に入った後に学ぶことをやめて、フリーターやパラサイト・シングルにならないように(この願いは本書で何回も書かれています)
3章「中学入試問題と生きる力」では、各教科でどんな生きる力が身につくか、身につけてほしいかが書かれています。
4章「中学受験に成功するには」は必読です。
私塾に通う時期など参考になるものが多々ありますが、「賢い親子関係」の部分は肝に銘じておきたいですね。
1.適度な距離を保つ
中学受験と生きる力 小宮山 博仁 著 日本評論社
2.親は予習してから教えること
3.できなくとも腹を立てない
4.我が子はなぜ間違えるかを考える
5.進歩した点をほめる
6.親子でストレスを貯めない
昨日の西村氏の「父親は教えるな」とは少し表現が違いますが、やはり親は教えるならきちんと予習してから(=予習しないなら教えるな)ですね。
また、この章では、子供のお手伝いについても書いてあります。これ、気になっていたんですよね。
塾で忙しいからお手伝いはしなくてよい、そんな時間があれば勉強を!となりがちですが、お手伝いは料理でも整理でも頭を使うのでおすすめとのことでした。
生きる力を学んでほしいという著者らしくとても響きました。
付録では、「賢い私立中学の選び方」を解説していますので、こちらも参考になりました。
2007年発行の本なので、情報が古いかと心配でしたが、参考になることばかりでした。
出版社では既に在庫切れのようなので、図書館や古本屋であればぜひ読んでみてください。